くいだおれ喜怒哀楽の「哀」 ▲戻る

そのお店は友人の父親が行きつけの店で、
高校を卒業したての頃に一緒につれて行ってもらった。

これといって特別なものも無い、普通の居酒屋だが、
おっちゃんは気さくで良く喋り、おばちゃんはよく気がつく方で、
いつも気持ちよく食事をし気分良く呑むことができた。

自分の稼いだお金で飲みに行きだしたのもこの店であった。

カウンター席が五席と座敷が奥に8人分程度がある店は必ずしもはやっているとは言いがたかったが、
いつ行っても誰か1人はカウンターで静かに酒を飲んでいた。

カトキチも友人と行くだけでなくお金に少しだけ余裕があれば
1人ででもその店のカウンターで酒とアテを楽しむようになった。

また料理にとても興味があったので、
1人で呑みに行ってはカウンターの中を覗き込み色々と質問をしては出来上がったアテをつつく。

おっちゃんとおばちゃんは嫌な顔をせず丁寧に答えてくれ、
手が空いている時はその料理の応用パターンまで教えてくれた。

そんなカトキチも結婚し家庭を持つようになり、
毎月最低一回は通っていたそのお店から一時期遠のいてしまった。

理由は、単純に稼ぎが少ないので日々の生活で精一杯になったから。
あの時は本当に自分の家庭を守るので精一杯の生活だった。
飲みに行くなんてもってのほかだった。

急に飲みに行かなくなった上に、友人ともお互い仕事が忙しく疎遠になり、
その店とは事実上の音信不通状態となったわけである。

あれから七年、子供も大きくなり生活にもほんの少しだけ余裕ができた。
そして、久しぶりに行ってみたら店が変わってしまっていた。

ショックだった、

いつ閉店したのか?

何故閉店したのか?

と色々な想像が頭の中をめぐった。

そのお店の近所で営業している文房具屋さんに聞くと、
四年ほど前に不況で経営状態がうまくいかず
女将さんが身体を悪くしたことと重なり引退されたとのこと、
その後のことについてはなにも知らないらしい。

自分のお気に入りの店が、、、
いつまでも楽しく食事ができると思っていた店が、

無くなっている(TдT)アウウ


今でもそのお店のことを思い出すと少し寂しくなる。
そのお店で楽しく酒を飲み食事し、楽しく話しをすることがもうできない。


こんな思いをしないよう、、、またこんな思いをしたくないから
世の中に活気が出て、もっと皆が楽しく気軽に外食ができること、望んだりしちゃいます。


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今回は「哀」だけあってちとマジメ(-_-;)
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